記憶– tag –
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午後の所在
午後二時七分、白昼夢への一時滞在が申請された。睡眠状態は覚醒。現実接続率は少しずつ低下し、やがて「現在地」は白昼夢を示す。帰還しようとしたとき、システムは告げる。同一地点への復帰は申請できません。 -
一度も触れられなかった
触れた場所の熱は、やがて薄れていく。最後まで残ったのは、一度も触れられなかったところだった。触覚と距離、そのあいだに残る空白を描く短編。 -
十五歳一名分、三か月後まで
疲れた日は、語彙が減る。満腹になると、未来が遠ざかる。十五歳で自分の三か月後を食べた少女は、十七歳の夜、誰かの未来を入れた保冷箱を港へ運ぶ。 -
出生時、私は複数形だった
赤の他人に身体を預け、自分の疲労を見知らぬ誰かへ分散する施術所《BODY COMMONS》。重さを手放すほど、他者の痛みがこちらへ流れ込んでくる。身体の所有、記憶、孤独、そして人間がどこまで一つなのかを描く短編。 -
三年遅れの未読通知
出来事が終わる時刻と、身体がそれを終える時刻は一致しない。脚に残る歩いた距離、胃に残る食事の温度、閉じた画面の奥で続く思考。翌朝、身体は昨日の日付がついた反応を届けてくる。けれど左肩に届いたのは、覚えていない三年前の痛みだった。 -
十八分間の失踪
目的地へ向かう十八分のあいだ、私は自分の人生から外れていた。遅れて瞬く車窓の顔、何度も戻る到着時刻、別の場所に現れる男。移動中だけ存在する、名前のない自分をめぐる短編。 -
最後の水を所有する人
消える直前のものを記録し続ける男。失われる場所や人の最後を残す行為は、いつしか他者の時間を自分のものにすることと重なっていく。記録することの愛情と暴力を描いた短編小説。 -
Quiet Letter 6
洗濯物が乾くまでの時間には、目には見えない変化があります。風を受け、少しずつ形を変えていく布のように、人の時間にもまだ途中にあるものがあります。完成する前の静かな時間を見つめる手紙。 -
身体は記憶する
傷は、失われたものではなく、身体が通過した時間の記録なのかもしれない。皮膚の下にあるもの、言葉になる前の痛みや経験を、身体は静かに残し続けている。 -
眠る前まで、まだ今日だった。
休日の夜、眠ることを惜しく感じる理由をたどる記録。終わらせたくないのは一日ではなく、まだ何かを選べる状態なのかもしれない。 -
途中のない途中
草がある。石がある。家がある。そこには誰かがいた時間の跡だけが残っている。消えたものではなく、残されたものから世界を見る短編。 -
Welcome Guide: はじめて訪れた方へ
Tranquil Guidesへ初めて訪れた方へ。ここには正しい順番も、決められた過ごし方もありません。見る、触れる、休む、歩く。その時の自分に近い場所から、ゆっくり歩いてみてください。 -
土の中の予定
本棚の奥から、一冊の文庫本を抜いた。 背表紙には薄く埃が積もり、指でなぞったところだけ少し色が変わった。ページを開く。何枚かめくったところで小さな付箋が落ちた。そこには...... -
パンくず一粒分の一日
部屋はまだ、夜の続きにあった。カーテンの隙間から入る光が、床の上に細い線を作っている。机の上には一冊の本が伏せられていた。読みかけなのか、読み終えたのかは分からない。ページの間には、古い紙の栞が挟まっている。 -
Quiet Letter 5
デンマークで交わした約束が、二年半の時間を経て大阪で実現しました。帰国前の短い朝、覚えていてくれた好きなもの、街を一緒に歩いた記憶、そして台湾での次の再会について綴る、親愛なる友人への手紙です。 -
灰になる前の孤島
誰にも期待されず、何者にもならなくていい駅裏の喫煙所。火事で失われ、美しい意味を与えられていく場所と、そこに逃げていた男の記憶を描きます。 -
知らないものにはまだ名前がないだけ
引っ越した部屋のノートに、毎朝ひとつ増えていく見知らぬ文章。見えないものは存在しないのか、それともまだ名前がないだけなのか。 -
記憶の残し方診断
同じ時間を過ごしても、記憶に残るものは人によって違う。12の場面から、あなたの記憶が選びやすい感覚と輪郭を見つめます。 -
不在診断
何があるかではなく、何が欠けているか。10の情景を歩きながら、あなたが先に触れる「不在のかたち」を静かに見つめます。 -
Quiet Letter 3
最近、忘れものをしたことはありますか。日常に残された小さな痕跡をたどり、曖昧になった記憶や過去の自分と再会するための手紙です。 -
落とし物センター
忘れものはありませんか。ここでは、誰かがどこかで落とした記憶や気持ち、言葉にならなかったものを静かに預かっています。 -
心は死んでいる。身体はとうに崩れている。
理由がなくても朝は来る。世界が昨日の続きを始めるなか、崩れた心と身体を抱えた僕が、理由のない時間を生きていく短編小説です。 -
雨の匂いを返しに行く。
再会したのは3年後の六月、雨の日の喫茶店だった。変わった世界と曖昧な記憶のあいだで、あの日の匂いと続きを探す物語です。 -
最初から終わり方だけは分かっていた。
映画も旅も部屋も、終わりが決まっているから安心できた。秋の喫茶店で出会った彼女との恋を通して、終わりを管理したい心を描きます。
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