Quiet Letter 6

風に揺れる洗濯物と、乾くまでの静かな時間を描いた淡い水彩風の風景

何かが終わるのを待つ時間へ送る手紙。

最近、まだ途中にあるものはありますか。

洗濯物が干されたあと、私は時々ベランダを見ます。

さっきまで洗濯機の中で回っていた服たちが、今は気持ち良さそうに揺れている。

シャツ。
ズボン。
タオル。

干したばかりの洗濯物は、まだ冷たくて、少しだけ水を含んでいる。

けれど、同じ場所に掛けられているだけなのに、時間が経つと少しずつ変わっていく。

曇っている日は、なかなか乾かない。

厚手のものは表面だけ乾いていて、裏側にはまだ湿り気が残っていることもある。

もう大丈夫だと思って取り込んだあと、乾いていないことに気づく。

そんな日は、もう一度室内で干す。

そして、いつの間にか忘れた頃に乾いている。

洗濯物が乾くまでの時間は、何かをしているわけではない。

ただ掛けられたまま、風を受けて、光を浴びている。

でも、その間にも少しずつ変化している。

以前は、乾いた服だけを見ると、その前にあった時間を忘れてしまう。

濡れていた時間。

風を待っていた時間。

まだ使える状態ではなかった時間。

完成した形になるまでには、誰にも見えない時間がある。

人の変化も、もしかすると同じなのかもしれません。

すぐには違いが分からない日があります。

昨日と何も変わっていないように感じる朝。

何も進んでいないように思える時間。

でも、あとから振り返ると、その間に少しだけ変わっていたことに気づく。

少し遠くまで歩けたこと。

前より長く眠れたこと。

以前なら気づかなかったものに目が向いたこと。

誰かと話した短い時間。

その時には、大きな変化だとは思わなかったもの。

近くで見ていると分からない変化がある。

洗濯物が乾いていく様子を、ずっと見続けていなくても、気づいた時には形が変わっているように。

まだ答えが出ていないこと。

終わっていないこと。

まだ届いていないもの。

すぐには変わらないもの。

それは止まっているのではなく、まだ見えていないだけなのかもしれません。

今日もどこかで、まだ乾く途中のものがあります。

急がずに待てる日があってもいいのかもしれません。

またね。

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